こんにちはデザイナーののざきです。みなさんアニメ見てますか?!
エンタクル社員はアニメ好きが非常に多く、シーズン毎にアニメの話題で盛り上がることなどもしばしばあります。
声優がどうだとか、制作会社があーだとか、その話題はさまざま・・・
自分はデザイナーということもあり、自分の好きな漫画がアニメ化されるとティザービジュアルなど舐めまわすように見たり、逆にアニメから漫画原作を知った時はその単行本を手にとりじっくり眺めたりとアニメ・漫画感での細かな表現の差や質感などを観察することが好きだったりもします。
そんな中「アニメと漫画でのロゴの作り」に微妙な差があることに気がつきました。これはまとめて比べてみると面白いか?と思ったのでいくつかご紹介します!
みなさんもどこが違うのか探してみてください!
作品一覧
まずは今回紹介する作品のロゴを一覧にしてみました。
どちらが漫画のものでどっちがアニメのものなのか?何が違うのか?ぱっと見でわかるでしょうか。
なんでこんな微妙な違いなのにわざわざ変更しているのか?というと、
自分が作ったわけではないのであくまで予測ですが、
・漫画は手元で、アニメはテレビなど遠めの画面で見ることが多いため、距離が遠くても潰れないよう調整している
・アニメではロゴの表示時間は長くて数秒のため、短い時間でより文字が認識しやすいよう調整している
・漫画の連載開始からアニメ化までに年数が経っていることが多いため、進化したトレンドや技術に合わせている
などが理由ではないかと思います。
後述しますが、大きさを揃えたりノイズになりそうなパーツを省いたり、「見やすくするための調整」が多い気がするので、ぱっと見の見た目が変わらないのは「あえて」の狙いではないでしょうか。
それでは一作品ずつじっくり見ていきましょう。
チェンソーマン
左:漫画単行本表紙 右:アニメキービジュアル
(出典:アニメ「チェンソーマン」公式サイト)
アニメ化前からジャンプの問題作(?)として人気があり、MAPPAの超作画&毎話変わる豪華アーティストによるEDで話題となった「チェンソーマン」。 横並びにしただけに見えますよね。
「マ」に注目してみてください。形が違うことに気付きましたか?
各文字のサイズや文字間が調整され、「ン」「ソ」の角の感じも変更されています。
「ン」「ソ」「マ」の角の数を減らすことで、全体の流れが滑らかになり一瞬だけ映る場合でも読みやすくなっています。
「マ」に関しては2画目上部が飛び出ていると中央の隙間が狭く、潰れて見える可能性があるため変更したのではないでしょうか。
カーブを滑らかにすることで印象がやわらかくなるため、個人的には漫画版の角が多い方がチェンソーマンのトゲトゲしい作風に合っているような気もします。
ちなみに、ジャンプ+で連載中の2部でもロゴが変更されています。完全に丸くなった角が増えているのですが、完結時にこの角丸にした意図と作品の雰囲気がマッチするのか楽しみです。
鬼滅の刃
左:漫画単行本表紙 右:アニメキービジュアル
(出典:「鬼滅の刃」公式サイト|集英社、アニメ「鬼滅の刃」公式ポータルサイト)
ufotableの鬼のような作画で注目され、世界的に人気が爆発した「鬼滅の刃」。原作は完結していますがアニメは順次製作されています。
単行本ではイラストにあわせて大幅にカラーリングが変えられているので、漫画版は一番わかりやすい原作ポータルサイトのロゴで比較してみましょう。
かな〜り微妙な違い、わかりますか?「鬼滅の刃」部分は同じのようです。
読み仮名「きめつのやいば」のサイズが大きくなり、フォントが変わっています。
背景の筆のようなストロークも、細かい飛沫や尖りが取られています。
「鬼滅の刃」の外側の細いアウトラインも白で固定され、背景と重なっている部分だけ見えるようになることですっきりしたように見えます。
小さな粒や尖り・細い線は、印刷物では情報量が増え凝っているように見えますが、画面ではノイズになる可能性があるため、そういった部分に配慮した微調整ではないかと思います。
ゴールデンカムイ
左:漫画扉絵 右:アニメキービジュアル
(出典:ゴールデンカムイ公式サイト、TVアニメ「ゴールデンカムイ」公式サイト)
明治末期の北海道を舞台にした黄金財宝を巡るバトルロマンギャグ闇鍋ウエスタン、「ゴールデンカムイ」。こちらも原作は完結しましたが、アニメでも完結までの制作が決定しています。
ゴールデンカムイは、単行本の表紙ではなくヤングジャンプ掲載時のロゴが元になっています。
これはパッと見でもなんとなく違いがわかるのではないでしょうか。
全体の高さを揃え、カーブを直線にしたり、直線を傾かせたり、濁点が切り離されたり、全ての文字に変更が加えられています。
一文字ずつ認識しやすくなっていますが、大きく印象が変わらないように調整されていて技術を感じます。
また、アニメ版ではアウトラインにダメージ加工が入っています。黄金の在り処を示す刺青人皮の切れ端を表現しているようで良いですね。
かぐや様は告らせたい
左:漫画単行本表紙 右:アニメ公式サイト
(出典:TVアニメ『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』公式サイト)
エリート校の家柄良し・ビジュアル良し・プライドの高さに難ありの生徒会長と副会長の駆け引きが繰り広げられるラブコメ、「かぐや様は告らせたい」。こちらも原作は完結し、アニメは3期まで展開しています。
これはめちゃくちゃ微妙な違いです。
かぐや様もヤングジャンプ掲載時と単行本とでデザインが違い、こちらは単行本のロゴを流用しています。
単行本でロゴを横一列に配置したものが無かったため、27巻のロゴを横並びにして比べています。
「告」部分はわかりやすく変更されていますね。アニメ版では字の大きさを揃え、ハートも下がすぼんでいない形に変わっています。
全ての文字が調整されているようですが、わかりやすく変わっている部分をピックアップしてみます。
「告」以外の部分は、同じリュウミンフォントを使っているように見えますが、はらいの具合が違います。
リュウミンBを基準とすると、漫画版ははらいが激しく、アニメ版は逆に大人しくなっています。
少しの調整で印象も変わって面白いですね。
お兄ちゃんはおしまい!
左:漫画単行本表紙 右:アニメティザービジュアル
(出典:TVアニメ「お兄ちゃんはおしまい!」公式サイト)
妹の実験で女の子になってしまったニートの兄♀、美少女になって引きこもり生活が変わったり変わらなかったり…?最近話題のTS日常モノ、「お兄ちゃんはおしまい!」。
こちらもかなり微妙な違いですが、「ま」を見るとわかりやすいです。
「ま」だと、少し潰れたように横長になり、切れ目が入っています。
他の文字も太さ・長さが絶妙に変更され、随所に切れ目のディティールが加えられています。
アニメ版の方がまひろ(主人公)の見た目の幼さがあらわれているような感じがしますね。
うる星やつら
左:漫画単行本表紙 右:アニメティザービジュアル
(出典:うる星やつら|小学館集英社プロダクション ライセンスビジネスサイト、TVアニメ「うる星やつら」)
宇宙人の美少女・ラムがひょんなことから平凡な男子高校生・諸星あたるの家に押し掛けて様々なハプニングを引き起こすラブコメディ、「うる星やつら」。令和になって再アニメ化され、何十年経っても話題の作品であり続けています。
単行本のロゴは時代的におそらくアナログなので、同じ形をデジタルで描き起こしたように見えますが、「や」の点の白い線が電撃っぽくなっていて、若干特徴が足されています。
他にも文字の重なりの線を取ったり、文字やパーツの間隔が変えられています。星の形もバランスが良くなっていますね。
個人的にはアニメ版の「やつら」の若干もちゃっとしている感じが「うる星」のわちゃわちゃを感じられて好きです。
-まとめ-
いかがでしたか?
今回は微妙な変更があったロゴをフィーチャーしましたが、全く同じロゴを使っている作品もありますし、完全に別デザインになっているものもあって、色々見てみると面白いですよ。
キャラデザの違いのように、どんな特徴が足されているか、どちらの方が好きか等、楽しんだり考察できる部分なので、みなさんもぜひ注目してみてください!