依頼内容
セガ様からご支給頂いた仕様書およびイラスト素材を使用して、各楽曲の世界観に合ったロゴおよびジャケットを制作します。
1枚にかけられる時間は短くじっくり試行錯誤を重ねて作ることが難しいため、いかに短いスパンの中でクライアント様のイメージに近いジャケットをコンスタントに作り続けられるかが鍵になります。
制作の流れ
①ラフデザイン
仕様書やデモ楽曲を元にジャケットの方向性を汲み取り、イラストのトリミングおよび配置を行いロゴのラフデザインを作成します。この段階でロゴの方向性や最終イメージをSEGA様と共有し、フィードバックに応じて方向性を調整していきます。
②ブラッシュアップ
SEGA様と共有した方向性を元に可読性やサイズ、バランスなど考慮しつつロゴをブラッシュアップしていきます。
楽曲によってはフレームといった装飾を加えることもあれば背景を一から制作することもあります。
③フィニッシュ
ブラッシュアップしたものをSEGA様に共有、フィードバックに応じて最終的な調整を行い完成です。
月に3〜6枚を上記のような流れで制作しました。
(キャラクターの説明、楽曲のキーワード、構図やロゴなどの要望、ロゴの参考画像などを事前に共有頂いた前提での流れになります)
クリエイティブ
制作にあたっては「楽曲やキャラクターの持つ世界観がジャケットを通じて表現されているか」という所を特に意識して制作を行います。表現方法は様々ですが、ここではその例をいくつか紹介します。
キャラクターが身につけている装飾品やイラストに描かれている背景・モチーフなどを取り入れた例です。
また、モチーフだけでなく質感やイラストのタッチも取り入れることでそのジャケットでしか成立しないオリジナリティが出るようにしました。
楽曲のタイトルからイメージを膨らませてロゴに落とし込んだ例です。
「蜘蛛の糸」では芥川龍之介の小説にもあるように、糸が1本垂れて見えるようなロゴを制作しました。
その他にはキャラクターが持っているものやタイトルにちなんだモチーフを加えることで説得力を持たせました。
最後は楽曲の歌詞やイメージから着想を得た例です。
楽曲の歌詞やイメージを取り入れることで楽曲を聴いた後にジャケットを見返した時、より納得感を感じられるようにしました。
ジャケットによってはデザインではなく支給されたイラスト素材を活用してより魅力的に見えるよう工夫した例もあります。
「コモリの怪物」ではキャラクターの立ち絵素材のみの支給だったため不条理・サイケデリックをキーワードに背景とロゴを制作したのですが、左のままだとインパクトに欠けるためキャラクターの頭上にあったイラストを使い、ロゴの一部として見えるような構図にしました。
「ちゅんちゅちゅチューン」ではアイドル曲らしい曲調だったので、キャラクターの持つサイリウムを手前に並べてファンの前で歌っているような構図にしました。
また、ジャケットにフレームのような装飾を加える場合もあったのですが、レイヤー感を意識することでキャラクターを目立たせつつイラストに馴染ませた例もあります。
一番手前にフレームを置くだけでも成立はするかもしれませんが、あえてキャラクターが手前にくる箇所を作ることで奥行き感が生まれると共に目を引かせることができます。
最後に
決められた期間の中、一定数の各楽曲の世界観に合ったロゴ・ジャケットの制作は難しさもありますが、常に楽しみながら制作することを心がけています。「CHUNITHM」タイトルはいちファンとしてのプレイ経験があったことや、その他の予備知識などを持っていたことも活かせていると思います。
おかげさまで100枚近いロゴ・ジャケットの制作のお手伝いをさせて頂いておりますが、これからも楽曲の世界観を大事にしたクリエイティブをしつつ、実際にプレイするユーザーの心に残るようなジャケットを作り続けていきたいと思います。
※掲載しているのは公開済みの楽曲のみになります。