昨年末に日本でも公開されるや否や、瞬く間にその名を轟かせた傑作映画「RRR」は皆さんも鑑賞されたでしょうか?
「インド映画なんて歌って踊ってのお馬鹿系ポップコーンムービでしょ?」などとはなじらんでいた私も御多分に洩れず、まんまと打ちのめされた口の一人です。
明朗快活なストーリー、ど派手なアクションは言うに違わず、次々に現れる胸熱シーン、一度聞いたら耳から離れることのないナトゥダンス…などなど、結局この後、3度も劇場に足を運ぶはめとなりました。
出典:映画.com
映画史上「最強の肩車」の呼び声も高い
映画だけでなく「インドが熱い」と様々な場所で耳にするようになりました。
先日の人口統計データでは中国についで世界第二位の人口大国になり、実質GDP成長率もアメリカを抜いて世界第二位に。まさに名実ともびアジアの急先鋒としてその存在感を発揮し始めています。
私達、ENTACLGRAPHICXXXでもアジアゲーム市場の拡大を背景に、マレーシアを拠点にデザインスタジオENTACL GLOBAL DIVISIONを設立しています。br>
アジア各国でのゲーム業界の盛り上がりは常に感じていますが、特にその中でも最もホットな国インドにフォーカスし、ゲーム市場にまつわるあれこれを調査いたしました。
「中国でもアメリカでもない..インドをご存知か?」
ということで早速見ていきましょう!
インドのゲーム市場概況
インドのゲーム市場規模は2025年までに50億ドル以上の市場に成長すると予測されています。
これは世界各国のゲーム市場規模からみても決して小さな数字ではなく、中国、アメリカ、日本、韓国などにも追随する勢いとなっています。
インドで急拡大するオンラインゲーム市場
特に熱気を帯びているのが、オンラインゲーム市場です。
オンラインゲーム市場はモバイルゲームを中心に拡大、ユーザー数や売上高もここ数年間で驚くべき急成長を遂げています。
この急成長の理由は幾つかあると考えられています。
まず一つには、急激なスマートフォンの普及、ネット環境の改善が大きく影響しているようです。
インド政府自体が通信環境、5G導入やインフラ改善にも力を入れており、現在のインドでのスマホ契約者数は実に12億人程度とされています。安価で安い回線を一般の人達も人たちももてるようになったことが大きな要因となっているようです。
一方、モバイルゲームの加熱はある社会現象を引き起こします、それが「PUBG問題」です。
今までゲームは一部の富裕層の物でしたが、多くの人がモバイルゲームをやり始め、PUBGが爆発的な人気を博しました。あまりの過熱ぶりに体調を崩すまでプレイを続けるもの、またゲームの影響から暴力的行為を引き起こすもの、など様々なネガティブニュースが走るようになります。また中国との関係性悪化なども影響し、ついには政府がPUBGのプレイを禁止するにまでいたりました。
このような事態は幾つかの問題点・課題点を浮き上がらせますが、ゲーム市場自体が非常に急速に成長している証ともいえるでしょう。
市場と共にユーザーもまた成長を遂げている最中なのだと思います。
インドの主要ゲーム開発業者/パブリッシャー
次にインドで代表的なゲーム開発会社を見ていきましょう。元々インドでは欧米諸国からの外注先リソースとして機能することが多かったのですが、モバイルゲーム開発を中心に自国でのリリースを中心とした開発企業が相次いで誕生しています。
gametion
モバイルゲームのトップパブリッシャー。オンラインマルチプレイヤーボードゲーム「Ludo King」は2021年に7億ダウンロードを突破し、全世界のダウンロード数トップ10のにもランクインしました。
インドだけでなく、インドネシア、バングラデシュ、エジプト、パキスタン、チュニジア、米国へも展開を広げている。
99 Games
本社はカルナータカ州ウドゥピにあり、2008年に設立、モバイルゲーム、カジュアルゲーム、パズルゲーム、ゲーム開発、出版などを専門としています。
クッキングシミュレーションゲーム『Star Chef』のヒットにより、一躍モバイルゲーム市場をリードする企業に成長しました。
これまでに22のゲームタイトルを公開し、全世界で1億回以上のダウンロードを達成しています。
nazara
Nazaraは、インド、アフリカ、北米に拠点を持つ、ゲームおよびスポーツメディアプラットフォームを提供している会社です。
また、同社は積極的な買収・合併を行う事でも有名で、2019年にはスポーツ&eスポーツニュースウェブサイトであるSportsKeedaを、翌2020年にはHalaplay Technologiesを買収し、現在モバイルアプリレーベルを最も多く保有する企業と言われています。
インドの人気ゲームジャンル
スマホアプリやゲームの調査を行うセンサータワー社によると、インドのスマホアプリダウンロード数をゲームジャンル別で分析した結果
1位 アクションゲーム
2位 スポーツ・レースゲーム
3位 カジュアルゲーム
であることがわかりました。
スポーツ・レースゲーム分野では『FIFAシリーズ』やクリケットなどのゲームが、パズル・クイズ分野ではボードゲーム『Ludo King』や『Teen Patti』などが人気があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか? インドではモバイルゲームを中心に多くの人がゲームに熱中している様子が伺うことができました。数年前の中国が一気にゲーム大国に押しあがっていったような熱を感じますね。今後もインドから目が離せない日が続きそうです!